Hella Jongerius

ヘラ・ヨンゲリウス

 1993年、アイントホーフェンのインダストリアルデザイン学科卒業。卒業直後から、RosenthalやDroog Designで磁器のスツールをデザイン、ニューヨークDana Karanでは磁器のポット&ジャーを、カッペリーネでは、フェルトスキンのスツールやチェアをプロデュースするなど、多くのメーカーからの注目を集めていました。そして、2000年、自身の会社、JongeriusLabを立ち上げます。

 

 ポリウレタンやラッテクス、スチール、フェルト、磁器、ガラス、生地、プラスチック、ブロンズ、ゴールドなど幅広い素材をミックスして用いるというのがヘラ・ヨンゲリウスの作品の特徴です。また、建築的な造形における、素材と技術の革新的なコンビネーションは、彼女の作品の典型とも言えます。彼女は、これらの作品に、限定的な付加価値を取り払った大量生産的な工業製品と、アイデンティティが表れるハンドメイドならではのユニークな存在価値、このふたつのバランスを保とうと努めています。これはヘラ・ヨンゲリウスが主張する「コストやそれにかかった経費が作品そんものの評価や、価値に繋がってはいけない」という信念を表しています。

 

 作品のいくつかは限定生産されており、それらは、Maharam、Swarovski、Royal Tichelaar、エルメス、イケアそしてヴィトラなどからの依頼です。また、多くの国立/国際美術館において、プライベートコレクション同様、ヘラ・ヨンゲリウスの作品もコレクションの一部に加えられています。現在はヴィトラのホームコレクションのデザインやMaharamの室内装飾デザイン、アムステルダムのSpaarne hospitalのカーテン、装寝具のデザインも手掛けています。

 

 

 

Polder sofa for Vitra

テーラリングや刺繍のテクニックにインスパイアされたという技術をもってつくられたこのソファは、非常に細かなディテールとクオリティの高さによって、ヴィトラのコレクションの中でも傑作と評されています。それぞれ大きさの違うクッションは、微妙にトーンの異なるカラーで、コラージュのように上手く組み合わせています。また、特徴的なボタンは、角や竹、真珠貝など、天然素材がもちいられています。

 

 

 

 

 

Nympenburg Sketches for Nympenburg Porzelann

ハンドクラフト的なモノづくりの素晴らしさを伝えたいという願いが込められた作品です。陶磁器でできた動物が乗っているタイプは、その美しさゆえ、アートとして位置づけられています。2つとして同じものがないということの証明として、シリアルナンバーが刻まれています。